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健康コラム

アルツハイマー病について

近年よく名前を聞くようになった「アルツハイマー病」。これは認知症の一つで、物忘れなどを発症する進行性の病気です。現在でも確立された治療法はなく、病期の進行を遅らせることしかできないのが実情ですが、日本では高齢化に伴い患者数が急激に増えています。

主な症状は「物忘れ」

アルツハイマー病は、特殊なたんぱく質が脳の神経細胞を壊すことで脳機能が低下し、さらには脳自体が萎縮してしまう病気です。発症したすべての人に起こる中核症状と、個人の性格などにより差が出る周辺症状とがあります。
中核症状では記憶障害や見当識障害、理解力や判断力の低下がみられます。記憶障害はいわゆる「物忘れ」のことで、自分の体験や知識までも忘れてしまうのが特徴です。見当識障害とは、自分の置かれている状況がわからなくなるもので、昼夜の区別がつかなくなったり、家のトイレへの行き方が分からなくなったりします。周辺症状では妄想や徘徊などが起こります。病状が悪化すると寝たきりになる場合もあります。

病状の進行を抑えることが一般的

アルツハイマー病を完全に治す方法は確立されていません。一般的な治療法としては、病状の進行を抑える薬の投与が行われています。
また、症状の緩和のためにリハビリ療法が行われることもあります。具体的には音楽を聞いたり歌を歌ったりする音楽療法や、かんたんな家事や手芸を行う作業療法などがあり、これらは脳を活性化する目的で行われています。アルツハイマー病では、脳の活性化が症状の改善につながるのです。

予防のためには運動と睡眠

治せないならば病気にかからないよう、予防することが大切です。アルツハイマー病の予防には、運動と睡眠が第一といわれています。
運動は軽いジョギングや縄跳びなどの有酸素運動が効果的です。できれば毎日行うのが理想ですが、それが難しい場合は週に3~4回、30分程度のウォーキングやサイクリングをしてみるとよいでしょう。運動をするときは「予防のため」と意気込むのではなく、楽しみながら長く続けることが肝要です。

良質な睡眠もアルツハイマー病の予防となります。しっかりと眠ることで脳が休まり、アルツハイマー病の原因である特殊なたんぱく質の排出を促すことができるからです。また日本の研究では、お昼に30分程度の昼寝をすることで、アルツハイマー病の発症リスクを5分の1まで軽減できるというデータもあります。

まとめ

日本では高齢化に伴い認知症の患者さんが増えています。さらにその認知症のうち、約6割がアルツハイマー病だといわれています。しかし有効な治療法がないため、早期発見と予防が大切になります。

また、アルツハイマー病は年齢による「物忘れ」との見分けが難しいとされています。たとえば、買い物で行ったのはどこか」ではなく「買い物に行ったこと」自体を忘れてしまう場合や、身近にあるかんたんなものの名前(たとえば「電話」「車」「鉛筆」など)を覚えていない場合は、アルツハイマー病の疑いがあります。もし身の回り人々に気になる症状があれば、専門家の診察をおすすめします。