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健康コラム

肥満なのに太らない? サルコペニア肥満とは

最近高齢者に増えている「サルコペニア肥満」。目立って体重が増えるわけでなく、見た目からは判断しにくい隠れ肥満の一種です。
サルコペニア肥満は、要介護や寝たきり状態の原因となるので予防対策が必須。しかも、生活習慣病のリスクはメタボ以上といわれています。

筋肉が減る? サルコペニア肥満とは

「サルコペニア」はギリシャ語で「筋肉の減少」を意味します。サルコペニア肥満とはその名の通り、筋肉が減り脂肪が増えるという肥満です。
主な原因は、加齢や運動不足による筋肉量の減少。筋肉が少なくなると、体内で消費されるエネルギーも減ってしまいます。そこで余ったエネルギーが脂肪として蓄積され、肥満になるのです。

サルコペニア肥満そのものは病気ではありませんが、筋力低下は要介護や寝たきりの原因となるので「寝たきり予備軍」になりかねません。
また、メタボリックシンドロームよりも生活習慣病のリスクが高いのも特徴。サルコペニア肥満の人は、高血圧や糖尿病などになりやすいといわれています。

サルコペニア肥満を見つける方法

サルコペニア肥満では、身体の筋肉部分が脂肪に置き換わります。自覚症状も少なく、見た目にはわからないことがほとんど。そのため、「年をとってもスタイルが変わらない」という人でも隠れ肥満の可能性があります。
ここでは簡単なサルコペニア肥満チェックを紹介します。以下の動作をそれぞれ行ってみましょう。

椅子に座り、手を胸の前で組む。それから片足だけで立ち上がる

片足立ちで姿勢を60秒キープ

片足立ちで靴下を履く

(※これらのチェックは転倒に気をつけて行ってください)

全てクリアできれば、サルコペニア肥満の可能性は低いと考えられます。しかしどれか一つでもできない場合は要注意。サルコペニア肥満の予防に取り組むことをお勧めします。

予防のために下半身を鍛えよう

サルコペニア肥満の予防は、筋肉をつけ、余分な脂肪を落とすことが重要。中でも注目すべきは下半身の筋肉です。太ももやふくらはぎの筋力減少は、サルコペニア肥満の大きな原因。下半身の筋肉を重点的に鍛えることが予防につながります。

予防にはウォーキングがお勧めです。行う場合は毎日8000歩を目標にしましょう。時間で表すと約60分が目安ですが、自身の体調や体力を考慮し、無理のない範囲で行いましょう。その他、スクワットつま先立ちも筋肉を鍛えるのには有効です。

また、筋肉を作るための食事も大切です。人間に必要なタンパク質の目安は、一食につき「手のひら一枚分」といわれています。特に高齢者は肉や魚を避けがちなので、普段のメニューに積極的に取り入れましょう。

まとめ

サルコペニア肥満が進むと要介護や寝たきりになるリスクが高まり、老後の生活に大きな影響を与えます。ちょっとした買い物は車を使わず歩いてみる、エスカレーターではなく階段を使うなど、普段から足を動かすように心がけてみましょう。