冬は脳卒中や脳梗塞が増える時期であることをご存知ですか?その主な原因は、寒さによる血圧の急激な変化です。脳卒中は命に関わることもある危険な病気ですから、予防法をチェックしておきましょう。
脳卒中とは、脳の血管に障害を来たすことで生じる神経症状の総称です。具体的には血管が詰まる「脳梗塞」と、血管が破れてしまう「脳出血」などの病気があります。
病気の原因は、脳内の血圧が急激に変化することです。特に冬は、寒暖差による血管の収縮で、脳卒中を起こす方も少なくありません。また、脱水症状による血流の悪化も一つの要因とされています。
例えば、帰宅時や入浴時は寒暖差による脳卒中のリスクが、起床時は脱水症状による脳卒中のリスクが潜んでいます。この場合は血圧の変化を緩やかにすることがポイントです。脱衣所は暖めておく、起き上がる前に手足を5分くらい動かす等の小さな対策でも、脳卒中のリスクは軽減されます。
脳梗塞には「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれる脳梗塞の前兆が見られる場合があります。
下記の症状が現れた場合は、迷わず救急車を呼び、脳外科や神経内科など専門の病院で診てもらいましょう。
・手足がしびれる
・物が二重に見える
・ふらつく
・めまいや耳鳴りがする
・体の半身に力が入らず、箸などが持てない
・顔が歪む
・舌がもつれる
TIAの症状は数分で治まることもありますが、脳梗塞のリスクは消えていません。「あとで病院に行こう」という油断は禁物です。一分一秒の差が生死を分けることもありますから、なるべく早く専門の検査を受けましょう。
脳卒中は高血圧の人に多い病気です。予防のためには、まず血圧コントロールから始めましょう。
・タバコ
タバコは血圧を上昇させるのでなるべく避けたいもの。急な禁煙が難しければ、本数を減らすところから挑戦してみましょう。また、喫煙の際にはしっかりと水分補給を行い、動脈硬化を防ぐビタミンCを積極的に取るようにしましょう。
・お酒
大量のアルコールは血圧上昇の原因になりますから、飲み過ぎには注意しましょう。
アルコールの利尿作用によって脱水状態になることで、血栓や血流の悪化を招く場合もあります。飲み会の後はお茶や水による水分補給をお勧めします。
・運動
高血圧を改善するためには、運動が欠かせません。体を動かすことで血流が良くなり、さらに体温が上昇することで血行の改善につながります。ウォーキングやサイクリング、水泳などの有酸素運動が効果的です。
冬は寒暖の差によって血圧が変化し、脳卒中を起こしやすい時期です。特に高血圧の方はそのリスクが高いので、血圧改善に努めましょう。めまいやふるえなど、TIAの特徴的な症状が現れた場合は、迷わず救急車を呼び検査を受けましょう。