口が渇く、立ちくらみがする、体がだるいなど体調の変化を感じたら、脱水症状を起こしているかもしれません。年を重ねるにつれて、水分・塩分不足に注意しなければならないこと、ご存知でしたか。
高齢者は、高齢者特有の事情から脱水症状になりやすいといわれています。その理由を探ってみましょう。
・水分量が少ない
高齢者は、若い頃に比べて体に蓄えている水分量が少なくなるため、脱水症状を起こしやすくなります。乳幼児の水分量は約70%ですが、高齢者になると約50%に減少するといわれています。
・喉の渇きを感じにくい
加齢に伴い感覚器官が衰え、喉の渇きを感じにくくなります。
・腎臓の働きが低下している
高齢になると老廃物を尿として排出する腎臓の機能が低下し、尿量が増えます。体の外に排出される水分量が増えることで、体内の水分が不足します。
・薬を服用している
高血圧や慢性心不全の治療薬など、利尿作用がある薬を服用している場合は尿の量が増えることがあります。薬の服用も塩分や水分が失われる原因になります。
・水分を我慢する傾向がある
失禁や夜間のトイレへの悩みから、水分摂取を控える高齢者が増えるようです。
脱水症状を防ぐためには、何に気をつけたらよいのでしょうか。予防のためのポイントを3点紹介します。
脱水症状が重度の場合は、病院で受診してください。軽度の脱水症状であれば、応急処置として経口補水液を摂取するとよいとされています。経口補水液には、脱水状態のときに不足する水分や塩分がバランスよく含まれているため、必要な水分を素早く補給できます。
※塩分摂取制限がある場合は、かかりつけ医に相談してください。
高齢者は、老化や薬の服用の影響で脱水症状になりやすいため、日頃から意識して水分を摂取しましょう。水分補給は喉が渇く前に行うのがポイントです。