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健康コラム

尻もちで骨折!? 高齢者のための骨折予防とは

20歳をピークに減少していく骨の密度。骨密度が少ないほど骨折のリスクは高くなるため、高齢者は若者より骨折しやすいといわれています。年を重ねた今こそ、骨折予防を始めませんか。

■骨折しやすい部位とは

高齢者が骨折しやすい部位は、次の通りです。

  • 手首
  • 腕の付け根
  • 背骨
  • 足の付け根

上記の中で、最も骨折頻度が高いのが「足の付け根」です。足の付け根を骨折すると、立つ・座る・歩くなどの動作に影響するほか、要介護や寝たきりにつながる可能性も。治すためには、手術が必要になるケースもあります。

■転倒が主な原因

骨折の原因の多くが転倒です。年を重ねると筋力やバランス感覚が低下するため、足が上がりにくく、すり足になる、つまずいてもすぐに体勢を戻せないなどの理由から、転びやすくなるのです。では、どういった場面で転倒しやすいのでしょうか?

  • 階段を踏み外したとき
  • 段差やじゅうたんの縁、電気コードにつまずいたとき
  • 浴室の濡れた洗い場で滑ったとき
  • サンダルやスリッパが脱げたとき

高齢者は、段差につまずき尻もちをついただけでも骨折する場合があります。ちょっとした段差、ちょっとした水滴が転倒の原因になりかねません。

■予防には食事・運動・環境の見直しを

骨折を予防するために大切にしたいキーワードは、「食事・運動・環境」です。

  • 食事
  • カルシウムが豊富な牛乳、小魚、小松菜を摂取しましょう。ビタミンDやビタミンKが多く含まれている食材も一緒に食べると、カルシウムの吸収率が高まります。ビタミンDが豊富な食材としては、青魚や干ししいたけ。ビタミンKは、納豆、レバーなどがあるでしょう。


  • 運動
  • 筋力とバランス感覚を向上させるためには、運動が効果的です。筋力を鍛えるにはスクワット、バランス感覚を鍛えるには片足立ちなどの体操がおすすめです。ただし、痛みが出ない程度に行いましょう。


  • 環境
  • 電気コードやじゅうたんは固定する、床にものを置かない、脱ぎにくく歩きやすいスリッパを履く、浴室に滑り止めマットを敷く、玄関や階段、浴室、トイレに手すりを設置するなどがあるでしょう。部屋を明るくすることもポイントです。


■まとめ

骨折は、寝たきり・車椅子生活などにつながる恐れがあります。生涯元気に過ごせるよう、ぜひ骨のケア、環境整備を行ってみてください。