2018年、北海道で地震の影響により停電が発生し、在宅酸素療法を行っている患者様の命が危険にさらされる事例がありました。命を守る在宅酸素療法とはどのような治療なのでしょうか。在宅酸素療法の基礎知識をお伝えします。
在宅酸素療法とは在宅酸素療法=Home Oxygen Therapyを略して「HOT」とも呼ばれ、慢性呼吸不全や慢性心不全などによって低酸素状態になっている患者様のために、体に不足している酸素を補うことです。低酸素状態の患者様は、通常よりも酸素濃度の濃い空気を吸わなければ体に十分な酸素を取り込めないため、在宅酸素療法が治療の1つになります。
酸素は、酸素濃縮器や液体酸素タンクといった酸素供給器からカニューラというチューブを通して体に送ります。液体酸素タンクは電力を使用しませんが、酸素濃縮器は電力が必要です。酸素濃縮器は停電すると使えなくなるため、災害時に向けての準備が大切になります。
生命維持に必要な酸素ですが、酸素が不足すると体にどのような影響が出るのでしょうか。酸素不足によって発生し得る主な健康状態が次の通りです。
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在宅酸素療法を行うと、心臓への負担が減り、息切れが改善されるといった効果を感じることができます。家で趣味を楽しみ、家族で過ごすことができるだけでなく、人によっては外出や仕事を行うことも可能になります。
在宅酸素療法を行う場合に注意しておきたいポイントを紹介します。
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酸素供給器に火気を近づけないなどは、在宅酸素療法を行っている患者様だけでなく、周囲の人も気を付ける必要があります。
在宅酸素療法の患者様が安心できる生活を送るためには、患者様の家族や周囲の人も在宅酸素療法について知っておくことが大切です。