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健康コラム

花粉症患者にも発症!? 口腔アレルギー症候群とは

果物や生野菜を食べていると、「喉がかゆい」「口の中がぴりぴりする」といった症状が出たことはありませんか? もしかしたら、口腔アレルギー症候群かもしれません。口腔アレルギー症候群は、花粉症の方にも関係する病気。なぜ、花粉症の方が発症するのか、原因を説明します。

■口腔アレルギー症候群とは

口腔アレルギー症候群とは、果物や生野菜などを口にした後、数分以内に口の中・唇・舌・喉にかゆみやしびれ、むくみなどが現れる症状のこと。時間が経過すると、症状は自然と消えていきます。子供にも大人にも起こり、今まで問題なく食べられていた食べ物でも突然症状が出ます。

中には、鼻炎症状、目・皮膚のかゆみ、下痢、腹痛などが同時に発症することも。血圧低下や意識障害が現れる「アナフィラキシーショック」のリスクもあるため、注意が必要です。

■口腔アレルギー症候群の原因は?

果物や生野菜などに含まれるアレルギーの原因となる物質「アレルゲン」が、口の中の粘膜に触れることで症状が現れます。果物や生野菜などのアレルゲンはヒノキやスギ、シラカンバなどの花粉のアレルゲンと似ているため、花粉症の方が口腔アレルギー症候群を発症することもしばしば。
花粉の種類によって口腔アレルギー症候群が現れる食べ物は変わります。

花粉の種類 主な果物・野菜など
カバノキ科
シラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャブシ
リンゴ、ナシ、モモ、サクランボ、キウイ、マンゴー、セロリ、ニンジン、ジャガイモ、大豆、ピーナッツなど
イネ科 トマト、スイカ、メロン、オレンジ、キウイ、ジャガイモ、ピーナッツなど
キク科
ヨモギ
マンゴー、セロリ、ニンジンなど
キク科
ブタクサ
メロン、スイカ、キュウリなど

花粉症患者だけではなく、ラテックスアレルギーを持っている方にも発症することがあります。

■診断・対策の仕方とは?

果物や生野菜を食べたことで身体に異変を感じたら、「どの食べ物を食べて、どのような症状が出たのか」をメモし、医療機関に行きましょう。問診や血液検査、皮膚テストなどを行えば、口腔アレルギー症候群かどうか確認することができます。

食べ物を火に通したり、缶詰にされたりしているものは症状が出ない場合があるため、「トマトが好きなのに、食べると喉がかゆい。でも食べたい」といったときは、医師に相談してみましょう。調理次第で安全に口にすることができるかもしれません。

口腔アレルギー症候群の治療法としては、症状が現れる食べ物を食べないことが挙げられます。そのほか、「抗ヒスタミン薬」という抗アレルギー薬を内服することで、症状を軽減させることもできます。

■まとめ

果物や生野菜などを食べて「いつもと違う」と思ったら、口腔アレルギー症候群を疑ってみてください。おいしくご飯を食べるためにも、症状が悪化する前に病院へ行きましょう。