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健康コラム

病気の早期発見に役立つ? 尿チェックとは

「トイレで用を足したとき便器を見ると、尿が赤っぽくなっていた」など、通常と尿の状態が異なる場合は要注意です。体の不調を表すサインかもしれません。ここでは、尿に関する基礎知識と尿の観察ポイントを紹介します。

■尿の作られ方

尿は腎臓で作られます。腎臓は老廃物や毒素を含んだ血液をろ過する働きがあり、体にとって不要なものは、「尿」として尿管、膀胱などを通って体外に排泄されます。

尿は、尿を生成する肝臓だけでなく、尿管や膀胱などの病気を発見する手助けになることがあります。例えば赤っぽい尿が出た場合は、腎臓や膀胱などで出血が起こっている可能性があります。腎臓がんや膀胱炎などが発症しているかもしれません。

尿の状態を確認することで体の不調に早く気付けることもあるため、日々の尿チェックが重要です。

■尿のチェックポイント

健康な状態なとき、尿の色は淡黄色~淡黄褐色で、かすかな芳香臭があります。排尿回数は人によってさまざまです。日本泌尿器科学会によれば、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上だと「尿が近い、尿の回数が多い」状態といえるようです。

観察するときは、健康な尿の状態と比べ、量や色、臭い、勢いなどが異なっていないかを確認しましょう。そのほか、トイレに行く回数、泡立ちや尿漏れの有無などもチェックします。以下、主なチェックポイントをまとめました。

チェックポイント 尿の状態
多い
少ない
回数 多い
少ない(もしくは、出ない)
赤色
茶褐色
真っ黄色
無色透明
白濁色
臭い 甘い臭い
強いアンモニア臭
勢い 尿が出にくい
尿の勢いが弱い
泡立ち 泡立っている
尿漏れ 咳やくしゃみ、笑ったときに漏れる
トイレに行くまでに我慢できず漏れる

※尿の排泄量や排泄回数は、水分の摂取量によっても変わります。また、運動量や薬の服用などによって尿の状態が変わることもあるため、「尿の異常=体の不調」とは限りません。

上記の表で挙げた以外でも、尿の異変が気になる、続く場合は、薬局などで尿試験紙を買って尿検査をしたり、医師に相談したりしましょう。

■まとめ

トイレで用を足した後に自分の尿の状態を観察するのは抵抗があるかもしれませんが、日々チェックすることで病気の早期発見が期待できます。今日から、尿チェックを始めてみてはいかがでしょうか。