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健康コラム

餅を食べるときは細心の注意を!年始に急増する「餅による窒息」

冬の食卓によく並ぶ餅。ついたくさん食べたくなってしまいますが、東京消防庁の「STOP!高齢者の窒息・窒息誤飲」によると、「餅(団子なども含む)」による窒息事故が1月に急増しているといいます。今回は、餅による窒息の原因や対処法、予防法について紹介します。

■「餅の誤嚥による窒息」の原因

消費者庁によれば、高齢者の「誤嚥(ごえん)等の不慮の窒息」事故による死亡者数の中でも、「気道閉塞を生じた食物の誤嚥」が約半数を占めていることが分かっています。誤嚥とは食べ物などが気道に入る状態をいいますが、高齢者は誤嚥を引き起こしやすいといわれています。

私たちの体は食べ物を飲み込むとき、気道を塞ぎ、食道が開くようになっています。しかし、高齢者の場合、口や喉周辺の働きが衰えていることから、気道を閉じることが難しくなり、誤嚥が起こりやすくなります。

また、餅は粘度があるため喉に引っかかりやすい食べ物です。唾液の分泌が減ったり、噛む力が衰えたりすると、余計に飲み込みにくくなり、誤嚥が発生しやすくなります。

さらに、高齢者は異物を吐き出す力も低下しているため、気道に食べ物が詰まっても喉に張り付いた餅を外に出すことができません。このようなことから、高齢者は餅の誤嚥による窒息が起こりやすいため、注意が必要です。

■「気道異物による窒息」が見られた場合の対処法

手で首元をおさえるチョークサインが見られた場合、窒息状態の可能性があります。

患者の反応がなかった場合は、すぐに119番通報を行い、救急車を呼びましょう。救護が来る間、AEDが近くにあるようなら取りに行き、心肺蘇生を開始します。

患者の反応があった場合は119番通報と腹部突き上げ法もしくは背部叩打方による異物除去を行います。救助者が自分一人だけの場合は、救急車を呼ぶ前に異物除去を行います。可能であれば腹部突き上げ法(※)を優先して行い、腹部突き上げ法を行っても異物除去できなければ、背部叩打法を試みましょう。

※注意事項:乳児や妊婦には腹部突き上げ法は行わないようにしてください。

■「餅の誤嚥」の予防法

餅の誤嚥を予防するには何を注意するとよいのでしょうか。以下、主な予防法をまとめました。

  • 粘り気のある食べ物は特に小さく切って、よく噛んで食べる
  • ご飯を食べる前後に水やお茶を摂取することで口を潤す
  • ゆっくり食事をし、一度にたくさんのものを食べない
  • 適切な姿勢で食事をする
  • 食事の際は食べることに集中する など

上記に挙げた予防法を参考に、食べ物を喉に詰まらせない食事を意識しましょう。

■まとめ

餅は冬の定番の食べ物ですが、その飲み込みづらさから毎年多くの高齢者が窒息事故を起こしています。餅を食べる際は、食べやすいように小さくカットをしたり、食べることに集中したりするなど、誤嚥に気を付けて食事をするようにしてください。

〈参考文献〉