
気温が一気に下がり、こたつやカイロなどを使う機会が増えてきましたが、誤った使い方をすると「低温やけど」になってしまう場合があるため、注意が必要です。今回は、低温やけどの原因や症状、予防法を紹介します。
「低温やけど」とは、44~50℃くらいの体温より少し高い温度のものに長時間触れることにより、筋肉などが壊死し、やけど状態になってしまうことをいいます。こたつや電気毛布などを使用したまま就寝してしまう、といった誤った暖房機器の使い方が原因として挙げられます。
また、低温やけどが引き起こしやすい人としては、皮膚の薄い高齢者や寝返りの打てない乳幼児、感覚が鈍くなってしまっている糖尿病患者などです。
通常のやけどは皮膚の表面に熱が触れることで引き起こされますが、低温やけどは皮膚の奥深くがじっくりと熱されるため、普通のやけどよりも重症になることが多い傾向があります。
低温やけどは表面の皮膚がやけどするのではなく、皮膚の奥深くが熱されてやけど状態になっているため、見た目だけでは症状が分かりにくかったり、痛みを感じなかったりする場合があります。
以下に示したように、低温やけどの症状は、皮膚のダメージ度合いによって大きく3段階に分けられます。
軽度(1度) | 患部にヒリヒリとした痛みがある。肌に赤みがある。 |
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中度(2度) | 患部に刺すような強い痛みがある。水ぶくれが生じる。 |
重度(3度) | 患部の皮膚が壊死してしまい、黒色または白色に変色する。 |
重症化すると、皮膚移植などの手術が必要になってしまったり、後遺症が残ったりする恐れもあります。やけどが生じた場合は軽度(1度)であっても、すぐに近くの医療機関を受診するようにしましょう。
低温やけどの予防法として共通で言えるのは、就寝時に暖房器具を使用しないということです。就寝時は熱さに気づくことが難しい上に、寝返りを打つまで長時間同じ箇所を温めてしまうため、低温やけどを引き起こしやすくなります。
体を温めるものに、カイロやこたつ、湯たんぽなどがありますが、これらを使うときに気を付けたいポイントを以下にまとめました。
カイロ | ・肌に直接あてない ・同じ箇所を長時間温めない |
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こたつ・電気毛布 | ・オフタイマーなどを活用し、つけっぱなしにしない ・熱さを感じ始めたら使用の停止、または熱源から離れる |
湯たんぽ | ・布団を温めることに使用し、体を直接温めない |
低温やけどを予防するためには、上記のポイントを意識し、暖房器具を正しく使用することが大切です。
寒い冬に使用する機会が増えてくる暖房器具ですが、使い方を誤ると低温やけどになってしまう可能性があります。じわじわと皮膚の奥深くを熱される低温やけどは、なかなか気づけないことも多いため、普段から今回紹介した予防法を意識してみてください。