子供が風邪を引くと、よく腫れてしまう扁桃腺ですが、熱などの症状が現れていないのに腫れている場合は、扁桃肥大の可能性があります。今回は、子供の扁桃肥大の症状や原因、予防法について紹介します。
扁桃肥大とは、喉奥の口蓋垂(こうがいすい)の両側にある扁桃が腫れてしまっている状態のことをいいます。子供の扁桃はもともと腫れやすく、生理的に肥大している可能性もあります。ほかにも、生まれつきの体質や扁桃線の炎症を繰り返すことにより、通常よりも扁桃が肥大化している場合があります。
肥大の程度は、腫れの大きさによって主に3段階に分けられます。
第1度肥大 | 口蓋扁桃がわずかに盛り上がっている状態 |
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第2度肥大 | 腫れが第1度肥大と第2度肥大の間の状態 |
第3度肥大 | 腫れがひどく、喉奥の気道が狭くなっている状態 |
扁桃の腫れが大きくなると、空気の通り道が狭くなり、睡眠の質が低下したり食べ物が飲み込みにくくなったりする場合があります。
子供の扁桃肥大は成長に伴った生理的な要因も多いため、完全に防ぐことはできませんが、病的肥大の発症・悪化を防ぐ方法はあります。予防法として2つ紹介します。
扁桃肥大はウイルスなどの病原菌の侵入を防止する役割があるため、普段からマスクを着用する、うがい・手洗いを行うなど、風邪を引かないよう気をつけましょう。バランスの良い食事や運動といった体作りも欠かせません。
喉の粘膜が乾いてしまうと、扁桃の炎症を引き起こすこともあります。室内の湿度を40~60%に維持したり、小まめな水分補給をしたりと、喉が乾燥させないようにしましょう。
子供に見られやすい扁桃肥大ですが、あまりに腫れが大きくなってしまうと、睡眠の質が低下したり、食べ物が飲み込みにくくなったりします。日常生活に支障が出てきてしまった場合は、早めに近くの医療機関を受診し、医師に相談するようにしてください。