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健康コラム

お腹や背中が急に痛む…もしかして慢性膵炎かも?

「みぞおち付近や背中が急に痛くなる」「一度治まった後もお腹の痛みがぶり返す」などの症状が続く場合、「慢性膵炎」を疑った方が良いかもしれません。

慢性膵炎とは、膵臓が硬くなり機能が低下していく病気です。膵臓は、消化酵素を含む膵液を分泌し食べ物を消化したり、インスリンなどのホルモンを分泌して体内の血糖コントロールをしたりする働きがあります。慢性膵炎を発症するとこれらの働きが弱まり、体内に深刻な不調が引き起こされます。今回はこの慢性膵炎の原因や発症後の症状、予防法について解説します。

■慢性膵炎の原因

慢性膵炎の主な原因は長期間にわたる大量飲酒です。アルコールが原因の膵炎を「アルコール性慢性膵炎」と呼びます。アルコール性慢性膵炎の患者の7割が男性ですが、これは男性の方がアルコールを飲む頻度や量が多いことが影響しています。アルコールに加え、喫煙も膵臓に悪影響を与える原因の一つに数えられています。

このほか、胆石、脂質異常症、ストレスなども慢性膵炎の原因です。また、飲酒をしていなくても遺伝子により慢性膵炎になりやすい家系があることをも分かっており、この場合は「遺伝性膵炎」と診断されます。原因不明のまま発症する「特発性慢性膵炎」も存在します。

■慢性膵炎の症状

慢性膵炎は何年もかけて徐々に病気が進行します。一度発症すると基本的に完治はしません。また、病気の進行度によって現れる症状は異なります。ここでは、「代償期」、「移行期」、「非代償期」ごとに症状を解説します。

  • 代償期

    まだ、膵臓の機能が保たれている状態で、膵液が分泌されると腹痛が繰り返されます。腹痛の発作時は激しい痛みを伴うこともあります。みぞおちや背中の痛みだけでなく、体がだるいといった症状が出ることもあります。

  • 移行期

    膵臓の中で炎症が徐々に進行し、膵液やインスリン、ホルモンを分泌する機能が衰えるため腹痛は軽くなります。

  • 非代償期

    慢性膵炎が進行し膵臓の機能がほとんど失われているため、腹痛は軽減します。その代わり、食べ物が消化できなくなったり、血糖値がコントロールできず糖尿病を併発したりします。消化不良のため、下痢や体重減少などの症状が現れる場合もあります。

このほか、お腹や背中の痛みなどの症状がなく、膵臓の機能が失われ糖尿病になってから慢性膵炎の発症に気付くというケースもあります。

■慢性膵炎の予防法と対策

慢性膵炎は基本的には完治しない病気のため、発症しないための予防が大切です。

  • 適切な飲酒量を守る

    慢性膵炎は多くのケースで大量かつ継続的な飲酒が原因となります。日頃から適切な飲酒量を守る、または飲酒をやめることが発症の予防につながります。

  • 脂肪分を控える

    毎日の食事で揚げ物やスナック類などをよく食べる人は、一度食生活を見直してみましょう。低脂肪の食事中心への変更で、膵臓への負担を減らすことができます。

  • 症状が出ていなくても定期的に検査をする

    慢性膵炎は、発症後も目立った症状が現れず、早期の診断が難しい傾向にあります。ただし、症状が出ていなくても、健康診断や人間ドックで膵臓の異常を発見できる場合があります。定期的な検査は必ず受けるようにしましょう。

■まとめ

慢性膵炎とは、膵臓が硬くなり消化酵素を出すなどの機能が低下していく病気です。慢性膵炎は早期発見が難しいだけでなく、一度発症すると完全に治すことはできません。慢性膵炎の発症を防ぐにはアルコール摂取量を減らす、禁煙をするなどの予防や、病院での定期的な検査が重要となります。また、初期の症状を放置したままでいると病気がさらに悪化するため、腹部や背中の痛みなどが続く場合は早めに病院を受診してください。