
害のある物質や、微生物に汚染された飲み物や食べ物を摂取することで起こる中毒のことを食中毒と言い、その中でも細菌によって引き起こされる食中毒が「細菌性食中毒」です。食中毒には細菌性食中毒の他にも「ウイルス性食中毒」、「化学物質による食中毒」、「自然毒による食中毒」、などがありますが、このうち、細菌性食中毒は発生する食中毒全体の約70~90%を占めています。特に、梅雨から初夏の時期は湿度や気温が高く細菌が増える時期です。細菌性食中毒も発生しやすいため、食品の管理にはいっそうの注意が必要です。
今回は、細菌性食中毒の原因となる細菌の種類、食中毒の予防法について解説します。
細菌性食中毒は、「感染型」「食品内毒素型」「生体内毒素型」に大きく分類されます。
これら、それぞれの細菌性食中毒の発生の特徴を理解することで、食中毒の予防や対処がしやすくなります。
食中毒によって引き起こされる症状は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などです。このうち、下痢や嘔吐は細菌が体内に入り腸の中で増殖したり毒素が入ったりすることで、胃腸機能が低下した結果引き起こされます。下痢や嘔吐は、繰り返すことで、体内の細菌や毒素を体外に排出する働きをします。高齢者や子供が食中毒担った際は、脱水症状を引き起こさない対処が大切ですが、自己判断で下痢止めや吐き気度目の服用をすると、症状が長引いたり、重症化したりすることもあります。
このほか、ボツリヌス菌による食中毒の場合、嘔吐だけでなく、視力障害や発声困難、呼吸困難などの神経症状などが引き起こされる場合があります。
厚生労働省は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺す」、という食中毒予防の三原則」にもとづく、家庭でできる食中毒予防の6つのポイントを公開しています。6つのポイントの要点を確認しておきましょう。
ポイント1 食品の購入 |
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ポイント2 家庭での保存 |
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ポイント3 下準備 |
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ポイント4 調理 |
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ポイント5 食事 |
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ポイント6 残った食品 |
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細菌性食中毒は、細菌が原因で引き起こされる食中毒で、1年のうちでも梅雨や初夏の時期に多く発生します。発症すると主に嘔吐や下痢、腹痛や発熱などの症状が現れますが、下痢止めや吐き気止めなどの薬を自己判断で服用すると症状が悪化する可能性もあるため、医療機関での指示を仰ぐことが大切です。細菌性食中毒が発生しやすい時期は、「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」を参考にして、日頃からの予防に努めましょう。
〈参考資料〉