
美味しいものをたくさん食べたい食欲の秋、だけど最近お腹周りの脂肪が気になる…という方も多いのではないでしょうか。中年以降は基礎代謝が落ちるため、若い頃と同じ食事量だと体重が増え、肥満になりやすくなります。今回は肥満によって起きるさまざまな病気のリスクについて紹介します。
肥満の指標となるのが体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出するBMI(体格指数)です。通常は30以上を肥満とするところ、日本人の場合体質的に内臓脂肪がたまりやすいという理由から25以上を肥満と判定しています。食べ過ぎや極端な運動不足などの理由がなくとも、中年以降は基礎代謝が落ちるため、若い時より肥満になりやすくなります。
肥満の原因になる脂肪には以下の3つがあり、それぞれに病気を引き起こすリスクがあります。
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肥満とかかわりが深いのが内臓脂肪と関係があるメタボリックシンドロームです。内臓脂肪が多い肥満で高血圧・高血糖・脂質異常症のうち2つを以上に当てはまる状態をメタボリックシンドロームと呼びます。このほかにもメタボリックシンドロームの方は心疾患・脳卒中のリスクが高い傾向にあります。また、メタボリックシンドロームに限らず、内臓脂肪が多いと血液が固まりやすくなり、心疾患や脳卒中のリスクは高まります。一般に、男性は腹囲が85cm以上、女性は90cm以上あると、内臓脂肪型肥満の可能性が高いと言われています。
皮下脂肪が多い肥満の方は、体重増加により膝を痛めやすく、また喉にも脂肪がつき睡眠時無呼吸症候群を発症するおそれもあります。皮下脂肪型肥満かどうかはお腹に力を入れた状態でへその周りのたるんだ肉をつかめるか、という方法である程度チェックすることができます。
このほか、膵臓や肝臓などの臓器にもつく異所性脂肪が増えると、肝硬変や糖尿病などのリスクが高まることが分かっています。病気のリスクを知るために、自分の場合どのような脂肪の付き方をしているかどうかをセルフチェックまたは病院の検査結果で確認しましょう。
肥満によって引き起こされるさまざまな病気の予防のため、まずは肥満傾向にある方は減量に取り組む必要があります。この際、過度な減量目標を立てる必要はありません。食事や水分摂取量を一気に減らす急激なダイエットをすると、体に負担がかかるだけではなく、リバウンドの可能性も高まります。病気のリスクを下げるため、まずは体重3キロ減、腹囲マイナス3センチを目指し、生活習慣の改善に取り組みましょう。継続して健康的な減量を行うためには、次の3点を意識してみてください。
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日本人は内臓脂肪がつきやすく、見た目では肥満に見えなくとも、BMI(体格指数)25以上であれば、肥満による病気のリスクや、生活習慣などを見直してみる必要があります。肥満とその病気予防のためには、計画的に無理のない減量目標を設定することです。ただ体重を減らす、ではなく病気のリスクを減らし、健康になるという観点から減量に取り組むのが効果的です。