
2014年2月現在、日本には人工透析を必要とする患者さんが30万人以上おり、高齢化の進展と糖尿病の急増を背景に、その数は毎年増え続けています。
以前と比べて、人工透析という言葉を耳にする機会は増えましたが、それが具体的にどのようなものかはご存知でない方も多いことと思います。
今回は、人工透析とはどのようなもので、どういった場合に必要となるのか、その概要をご紹介します。
人工透析とは、腎臓が本来もつ機能を人工的な手法で代替するものです。何らかの原因により腎臓の機能が低下すると、血液内の老廃物や水分の除去が不十分になり、尿毒症を引き起こす可能性が高くなります。
重度の尿毒症になると、呼吸困難、貧血、肺水腫といった症状が現れ、死に至ることもあります。尿毒症による深刻な事態を回避するため、外的な手段によって血液を浄化するのが人工透析です。
腎臓機能が低下する原因としては、高血症や糖尿病、免疫系の異常、薬に対するアレルギー、感染症など、さまざまな要因が挙げられます。
腎臓の機能が正常時の30%以下に低下した状態が「腎不全」です。腎臓機能が10%以下に低下すると「末期腎不全」と呼ばれ、透析治療または腎移植が必要になります。
血液を浄化する人工透析には、大きく分けて血液透析と腹膜透析の2種類があります。