健康ガイド

健康コラム

透析について (2)人工透析の流れ

透析室 人工透析は、低下した腎臓の機能を人工的な手法によって代替する治療法です。末期腎不全の方は継続的に透析を受けていく必要があります。
今回は、透析患者の方が実際に受ける治療の流れをご紹介します。

血液透析

○血液透析の流れ ※医療機関によって若干異なる場合があります。

1.来院前に痛み止めのテープを貼る
透析を行う際は、治療の1時間ほど前に局部麻酔シールを貼ります。
局部麻酔シールを貼ることで、穿刺(透析の針を刺すこと)の痛みを和らげることができます。
2.医療機関へ行き、身支度をする
透析を受ける医療機関に到着したら、透析用の衣服に着替え、手と穿刺部を洗います。また、この時点でトイレなども済ませておく必要があります。
3.体重・血圧を測定する
体重と血圧の測定を行います。透析患者にはドライウェイトという基準体重が設定されており、ドライウェイトと透析前の体重を元に透析の除水量を設定します。
4.穿刺をして透析治療が始まる
ベッドへ移動後、腕に穿刺をして透析開始です。血液を血液透析器に通し、体内の老廃物や余剰な水分を除去します。透析中はTVを見たり本を読んだり自由に過ごすことができます。30分~1時間ごとに血圧・脈拍を測定します。
5.返血・止血を行う
透析が終了したら、血液透析器内に残っている血を身体に戻し、止血を行います。透析終了から止血が終わるまで、長くて30分程度かかる場合もあります。
6.体重・血圧を測定する
透析後の体重と血圧の測定し、基準体重の通りになっていることを確認します。あとは着替えをして帰宅となります。

腹膜透析

腹膜透析治療では常時、腹腔内(お腹の中)に透析液を入れておくことになります。そのため治療の開始前に、この透析液を出し入れするためのカテーテルを入れる手術が必要です。手術当日からカテーテルが安定するまで、1~2週間ほど入院することになります。
治療の開始後は月に1~2回程度の通院が必要ですが、透析液の交換は自宅や学校、職場で行うことができます。ただし、血液透析とは違い病院外で行う治療のため、透析時間や腹部の清潔維持など、しっかりとした自己管理が重要です。

○腹膜透析の流れ

CAPD-手動で透析を行う場合

1.新しい透析液の入ったバッグをカテーテルにつなぐ
新しい透析液の入ったバッグをつなぎ、お腹の中に新しい透析液を入れます。
2.空の透析バッグとカテーテルをつなげる
空の透析バッグとカテーテルをつなぎ、お腹の中の透析液を排出します。
CAPDの透析バッグ交換は、1日に4~5回。所有時間は約30分です。

APD-自動で透析を行う場合

1.就寝前にカテーテルと透析器械をつなげる
透析装置にあらかじめ透析バッグをセットしておき、就寝前にカテーテルとつなぎます。つなぎ終えると、透析装置は自動で透析液の交換を行ってくれます。
2.起床後にカテーテルを透析装置から取り外す
起床後は、透析装置から透析バッグとカテーテルを取り外します。
APDの透析バック交換は、1日に1回。就寝時間に行うため時間的拘束はありません。