薬と薬の飲み合わせだけでなく、薬と飲み物、薬と食べ物にも飲み合わせがあることはご存知ですか? 薬局の窓口でよく聞かれる質問をまとめました。
- (1) グレープフルーツジュースと一緒に飲んではいけない薬は?
高血圧や狭心症の治療薬であるカルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースと一緒に飲むと血液中の薬の成分が増えてしまうことがあります。血液中の薬の成分が増えて薬の作用が強く現れると、血圧が低下しすぎる懸念があるため、注意が必要です。
これはグレープフルーツジュースに含まれる「ナリンジン」という成分の影響で、オレンジジュースやリンゴジュースにはこの成分が含まれていません。しかし、薬は基本的に水やぬるま湯で飲むことを前提としていますので、ジュースやお茶で飲むことは避けてください。
- (2) 納豆と一緒に摂れない薬とは?
納豆と抗血液凝固薬の「ワルファリンカリウム(商品名:ワーファリン)」を一緒に摂ると、薬の効き目が弱くなってしまいます。これは納豆に多く含まれる「ビタミンK」が、ワーファリンの効果を打ち消してしまうためです。注意しましょう。
- (3) 牛乳と一緒に飲んではいけない薬って?
抗生物質(テトラサイクリン系)や抗菌薬(ニューキノロン系)、骨粗しょう症治療剤(ビスホスホネート製剤)を牛乳と一緒に飲むと、薬が牛乳の中のカルシウムや鉄分と反応してしまいます。吸収を弱めたり効果が減少したりと、相性がよくありません。
薬を飲む場合には、他の薬との飲み合わせだけではなく、飲み物や食べ物にも注意が必要です。医療機関から薬をもらう際に、医師や薬剤師から注意があった場合は必ず守りましょう。
気になる点がありましたら、薬剤師までご相談ください。
記事初出:広報誌「コンチェルト」第119号
執筆者:村岡久美子薬剤師